我が事務所は朝9時出勤。たいがいの事務所は10時頃なのかも知れないけど、
現場からの電話は朝が多いのでそうしてます。夜は決めてはいないけど、大体所員さんは24時頃まではいますね。
会社勤めの方には想像もつかない労働時間。とはいっても彼等もいずれは独立するのですから
すべては自分のためです。
独立って難しい?って聞かれれば、次のような条件を満たせばいつでもできると答えています。
1:設計図面が一式全部書ける事、予算を念頭にして書ける事。
2:現場の職人と会話のできる事。工務店と対等に話せる事。
3:金額の把握をしている事、割り振り、調整、ネゴができる事。
4:顧客の信頼を得られる事、何を聞かれても答えられる事。
さて、1-2の段階をステップに日々奮闘している所員を今日は紹介します。
我が事務所の新人は、大学院を卒業した人材T君。
すでに学生時代の夏休みから事務所に来て、
色々と教えながら1軒図面を書いて、それがすでに入社時には完成。
現在取り組んでいる2軒目はまだプランやスケッチは所長さんの物だけど、CADで一式の詳細図をまとめあげるために、四苦八苦。
構造屋さんと打合せやら、材料メーカーと打合せやら、毎日夜な夜な書いておりまして、
頭の中はもんもんとその物件の図面が渦巻いているはずです。
最近ようやく一式が出来ました。
しかしがってん。見積をとってみると予算をオーバー!。
さてこれからが勝負です。私達設計者は、線をそれこそ、余計なデザイン心ですーっと1本余分に引く事で、それが全部コストに跳ね返ってくる。
カタログ見てかっこいい水洗器具を見ては、それを何げに指定して、積み上がって何百万の誤差になる。むずかしいよね。
はやくコスト感覚を身につけてくださいまし。期待しています。
もう一人はV君。
自分のお友達から依頼されたアパートを我が事務所で作業。私はもっぱら図面と予算管理の指導係。V君は現在現場で暑い中、奮闘中。
そもそもやりたい事と予算が余りにも懸け離れていて一度はRC造で申請までだしたのだけれど、クライアントの予算が会わずにやり直し。1年半でようやく設計が終わり、再見積でも800万のオーバー。泣く泣く調整をしてやっと念願の現場に突入しました。
彼は、もともとデザインセンスが良いとの評判ですが、つい最近大工の棟梁に「こんな位置に窓がついているのはおかしいからやめろ!」と言われ、今までつきあってきたデザイン/設計界人間とは全く違う、恐い現場人にめちゃめちゃしごかれているらしく、本気で実物を創ることの難しさや苦労を体験しています。
最後にYさん。半年掛かった工事が終了し、引き渡しはもうすぐです。男社会の汗臭い苦手な現場に入り込みにくい苦労を体験しつつ、写真記録などをきちんとしていてくれたお陰で、無事完了検査も終え、少しは自信がついたかなあ?
で、所長は若いのに全部やらせてるって?・・もう若くはないからね。。