鈴木アトリエ
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・・・・・Suzuki Atelier・・・・・

目黒川の桜
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2日 木製サッシュ 鈴木アトリエ仕様・・ / 9日 「市ケ尾H邸」撮影しました・・
11日 ローコスト住宅を設計するということ118日 ローコスト住宅を設計するということ2


・・ 木製サッシュ 鈴木アトリエ仕様 ・・ 4月2日(土)
木サッシュ鈴木アトリエ仕様の打ち合わせ
木製サッシュ「鈴木アトリエ仕様」の打ち合わせ
やたら人気のある木製サッシュ。お話をしたお施主様のほとんどが木製サッシュを希望されます。使ってみるとその良さがわかるのですが、まだまだアルミサッシュに比べて高価なので、常にコストとの戦いとなります。

今年中に鈴木アトリエの設計する住宅は「高気密の木製サッシュ」を標準仕様にしたいので、そのオリジナル仕様についてメーカーと打ち合わせを繰り返しています。
山形からわざわざ来てくださっての打ち合わせもすでに何回やったか。
もうちょっとで仕様も固まります。それとクリアしなければならないもうひとつの難題があります。

それは「準防火地域」への対応。

メーカーでは今年耐火試験をしたのですが、あと3秒でクリアできなかった引違窓の16mmLoeガラス。これについては9月に再チャレンジ。合格すれば秋にはラインナップが完成する予定で準備しています。
皆さんが使い始めるとコストも下がるという経済理論により、普及活動に勤しみます。


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・・ 市ケ尾H邸 撮影しました・・ 4月9日(土)
市ケ尾H邸 写真撮影
市ケ尾 H邸」は完成するまでにはなかなかドラマの多い家でした。
2世帯住宅からのスタートでしたが破談。
マンション売却と並行して、新たに土地を探すことからの再出発。
ようやく見つけた中古物件。でも擁壁と道路からの段差のある敷地。
奇妙な土地を見ると設計者は燃えるのです。

どう扱うかで計画が大きく変わるという予感があるから、腕の見せ所です。
しかし現実は予算という壁が立ちはだかりますので、最初は地上面に2階建てを素直に計画していましたが・・・なんだかつまらない。。。
車の駐車、オートバイ、カフェなどの夢を踏まえて、道路面から入れるスキップフロアにする道を選びました。なのでとっても複雑になり、工務店さんにはだいぶ迷惑をかけてしまいましたが、その分、良い家になりました。

竣工して1年とちょっと。ようやく撮影ができました。


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・・ ローコスト住宅を設計するということ 1・・ 4月11日(月)
武蔵小山の家 時々強烈なローコストの話が舞い込む。

土地代に消えてしまった予算。残りで建つはずだと建売を勧められるものの、お客様はそれには満足できずに、「なんとかなりませんか?」とメールが来る。

設計監理の不要な規格設計や建売ならばなんとか建つのだろうが、私たち設計者がきちんとお施主さんと向き合って設計していくには予算的に厳しい。

ようは建設費は出るが、設計のアイディアも監理費も出せないのだから、こちらが関わって知恵を出す義理はそもそもないのである。
すぐにでも断れば良いのだが、時々話を聞いて作業を始めてしまう。
そのほとんどは土地の持つポテンシャルを見つけた時である。
例えば狭小旗竿地。見るだけでウズウズしてくる。
例えば細長敷地。コレまた面白そう。
結局は土地に魅せられて手を出してしまうのだ。

武蔵小山の家」は、こんな経過で設計をすることになった。


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・・ ローコスト住宅を設計するということ 2・・ 4月18日(月)
土地に魅せられてローコストを引き受けるのはいつものことだが、だいたいは「しまった!やるべきではなかった?」の連続になることも多い。
厳しい予算を鑑み、無駄を抑えるために、尺モジュールを守り、階高、天井高を抑え、間取りはシンプルに、それでも住んでいて自慢できる面白い空間を一つは詰め込もうと考えるのだが、大概のお客様はこちらの期待とは裏腹に、要望は多く、無理かもしれないと言いつつ、いろんな希望を出し、あれも譲れない、これも譲れないと言いはじめる。断熱、耐震、高気密、床暖房、食器洗浄機、トイレが二つ、床がチーク材、壁は漆喰。などなど、聞いていたらキリがない。しかも、プランにも色々と変更を要求してくる。思い込みが強く、今までの生活の形をそのまま変えようとしない。便利という言葉と面倒臭いと言う言葉で、間取りがどんどんと歪められていく。
その結果、構造も不整合、形はぐちゃぐちゃ。だんだん、自分が単なる図面引きに感じてくるともうダメ。これではただの製図屋である。

お客様にとって、「私の経験値」はどうやら不要のようだ。
こうなると、言われるままに設計することになると、結果は悲惨。
もともと無理があるのだから見積もりが出たあとに減額に減額を重ねる羽目になり、なにもかも剥がして裸体の工事が進められる。要望は一つも通らなかったような気になって、完成した後には文句ばかり。こういう風になりたくはないのです。

私の設計者としての提案は全部否定したのに、文句がでるのだ。
私の意見を聞かずに進めたことに対して、なにも保証していないのに。
でも最後はこう言われる。「だって、私は素人だもの、そんなことプロなんだから考えてほしいわ!」とくる。だからローコストは嫌になるのだ。

でも、たまに逆もある。
「予算ないんで、お任せします!家族3人が住めればよいです。」
「無理して施工していただくのだから、お任せします」
こういうケースは本当に幸せだ。
設計者の私はノリノリで、普段考えているアイディアを詰め込み、施工者も予算にも入っていないことをやってくれ、材料が良くなったりして、みなが協力的になるケースが多い。家は幸せである。

この話、最初にお客様にいつもしてるのですが、
家が一生一度の大事業だと思う人ほど、設計者に任せられないのかもしれない。
難しい問題です。


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