今年2度目となった美術館見学会は国立西洋美術館。
この建物は建築学科に入学して間もなく教えられる近代建築の巨匠:ル・コルビジェの日本唯一の作品。建築設計に携わっている人には学生時代の想い出が少なからずある場所だからか、今までにない申し込みの多さ。初めて受付締切をさせて頂いた程。
実は今回の見学会は「もしかしたら急にお断りするかもしれません」と西洋美術館側からは言われていて、開催は大きな賭けでした。世界遺産登録の審査会が見学会とぶつかる可能性からの理由でしたが、開催できてよかった・・
今まで歴史ある美術館での解説会では、いかに竣工当時状態を維持管理するか〜という苦労話が通説だったのに、西洋美術館では時代のニーズとともに次から次へと大胆に改修されたとの話は衝撃的でした。現在残っているオリジナル部位はほんの一部のみ。知らなかった・・・。
これだけ大胆に手を加えているのに世界遺産に?との質問も当然ありました。 答えは「美術品を展示する機能を第一に成長しつづけ、これからも時代とともに進化しつづける稀にみる生きてる美術館建築作品」としての価値、だそうです。 なるほど・・。
それでも内部空間の美しさ、外観の雄大さは学生時代に感動したものと変わりがないのは、ただただ機能のみを追求して改修したわけじゃないからでしょう。これからもル・コルビジェの設計主旨を尊重しながら愛情をもって改修し続ける覚悟というか、決意を学芸員さんの話の中に感じ、それも感動的でした。 |