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つれづれ日記

2014/7月

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1日 台湾版「片づけの解剖図鑑」・・ / 2日 大学で初めての木造建築・・
4日 トグルスイッチ・・ / 17日 暮らす人が変わると住まいはどうなる?・・
31日 南伊豆の家・・

・・ 台湾版「片づけの解剖図鑑」 ・・ 7月1日(火)
台湾版「片づけの解剖図鑑」表紙
なんじゃこりや!

と思わず唸ってしまったこの表紙カバー。
色が凄い。思わず編集部にメール!

「さすがにこの色はないんじゃない?ピンクがキツくない?」と私。

編修の藤山氏から早速返事。
「パッションフルーツのお国柄ですから」と、さらり。

うーん、そんなもんですかねえ。。。



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・・ 大学で初めての木造建築 ・・ 7月2日(水)
大学で初めての木造建築
 昨年の5月から設計を開始し、今年の1月から着工。ようやく先月末に完成し引き渡しが完了した「K大学の施設」

約1000m2のこの建物は使用用途が半分しか実は決まっていないという中途半端な建築なのですが、そんなことよりなにより、大学の施設で恒久的な木造建築というのは初めての試みでした。

一般的に大学施設ではRC造や鉄骨造の耐火建築物が採用されるので、「木造なんかでよいのか?」「そんなにチャチで耐久性は?」などの声もあったようで大学側は心配事も多かったようです。しかし、それもあってあえて今回の建築で実験的な木造が取り組まれたのです。

木造といえば、大手の設計事務所やゼネコンでは経験がなかなかない建物、逆に私のように木造の住宅を数多く手掛けて、細かな設計をしてきた事務所にとってはこの規模の木造は得意中の得意。細かな造作も仕上げレベルも今まで住宅で鍛錬してきたノウハウをすべてつぎ込めました。

外観も安っぽく見せないためのノウハウを詰め込んでいます。
通常サッシュを外壁にそのまま付けてしまうとペラペラな印象になるのですが、影を付ける庇や窓枠の深さに気を使ってみたので、どうですか?言われないと木造には見えないでしょ? 内部は内装制限が掛かっておりますので、木質の仕上げはできませんでしたが、中廊下の暗さを払拭しようと、スリットや欄間を設けてみました。

まずは、引き渡しを終えて一安心です。

大学で初めての木造建築 大学で初めての木造建築



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・・ トグルスイッチ ・・ 7月4日(金)
 無線機などによく見られるトグルスイッチは種類数多くあれど、外部に使える防水型というのがなかなか無い。
それでもなんとか探して見つけ、写真をみて!これだ!と取り寄せるも実物は小さくとても使えないものでした。
トグルスイッチ
引き渡し後、お客様自身が必死に調べてくれて見つけてくれました。
「かなり手こずったよ!」と嬉しそうに話してくれましたが、その笑顔の裏で、プロのはずの私たちが見つけられなかったことに心で涙したのでした。



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・・ 暮らす人が変わると住まいはどうなる? ・・ 7月17日(木)
トグルスイッチ
 ある特定の家族のために設計した住宅は他の家族は使いにくいのだろうか?

 9年前に完成した東京のある住宅。もちろん私の設計。
狭小の変形地に苦労していろんな夢を詰め込んだ住まい。
事情があって一度家は空になった。売るかもしれないという最悪の事態にも一時は直面したが、その危機は去り、再びこの家に新しい家族と住むことになった。建設時の苦労した思い入れがたくさんあるから、この家に住みたいと。

 そこでキッチンをリフォームすることになった。

スーパーで買ってくる総菜や調理品をほとんど使わず、何でも1から作るので、調理道具はすぐに手に取れるように収納せず、棚には扉は要らないとか。シンクでは魚をさばけるように幅を1m以上に広くしたいなど、なんだか懐かしい昔の台所の風景を連想して話したみたら、その通りの希望だった。
以前のキッチンの使い方とは真逆だ。

現状プランを最大限活かしてのレイアウトを考えると、冷蔵庫がどうしてもシンクの脇にくる。狭い家だから、壁で覆いたくはない。 特徴のある屋根天井も見せたい。で、その結果、こんな風になりました。

  お披露目食事会で感じたのは、キッチンが変わっても壁や家具の色が変わっても、また、ひとが変わっても、建物の空気感は良い意味でそのままだったことです。
間取りだけではなく空間の設計ができている建築は褪せずに時とともに味がでてくるとはこのことかなと思いました。そしてこの家に明かりが戻ったことに感謝。

暗くなった帰り道、「ごきげんよう!」との子供の声を背中に、しみじみ帰宅したのでした。
トグルスイッチ


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・・ 南伊豆の家 ・・ 7月31日(木)
改築前
先生の別荘ですか?とよく聞かれる南伊豆の家。
いやいやそんな良いイメージのモノではありません。
横浜では見たこともない大きな蜘蛛と共存し、カナブン、カメムシ、ムカデ、カマドウマ、蟻に囲まれながら、時々イノシシの存在を感じる山の中。地デジの電波もなく、携帯も使えないのです。しかも車は入れないへんぴな場所。相続で母親がもらってしまった、困りもののボロ家屋なのです。

 最初はそんな田舎の建物は要らないからお金に換えてしまおうと思ったものの300万でも売れないということがわかり、それなら使おう!と考えた。聞けばもともとどこかの銀行の頭取の使っていた家。築100年は経っているという。実は骨格は結構立派かもしれない。かすかな期待とともに、現地に乗り込み、大量の残置物のゴミを捨て、ビニールクロスを剥がし、天井、床を剥がして丸裸にして状態を確認すると見事に白蟻に食われていました。「えーい!食うだけ食ってみろ、大きな尺(303mm)はある梁と柱。平屋だから柱は10センチもあれば持つのだから、1年に10mm食ってもあと20年は倒れない。らならば、解体する手間が省けたって思えば良いのかも。
そんな安易な考えでリーフォムは最小限にして別荘代わりに使うことに。

毎年定期的に、この時期、近くにあるヒリゾ浜は、ここら辺じゃ一番きれいな海だよ!って、声を掛けて、シュノーケリング好きが集まりました。

今年も数組の家族が滞在し、早い夏休みを一緒に過ごしました。
南伊豆の家
柱 南伊豆の家



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