思えば東北大震災の日。
私は工事の担当者とこの住宅「国立の家」にいました。
明日から改修のための解体を始める前日のことでした。
築50年を超す、瓦屋根の大きな住宅。当時の大工が200年持つ!と豪語した住宅。
この家を2世帯に改造し、駐車場をつくり、増築も行いたいというお施主様の10年越しの構想でした。融資を受けるほどの大きな規模のリフォームですので、基礎の補強(ほとんど外周部すべて打ち増しして新設)構造の補強(柱のやりかえ、梁の交換、筋交いの見直し、金物の設置)、断熱基準の見直し(サッシュ全部ペアガラスタイプに交換、断熱材を現代の省エネ基準に適合) 電気回路のやり直し(ブレーカー回路数の増設、ネット配線など)設備やり直し(水道管移設、交換、ガス管交換、排水ルートと枡の交換)など、ほとんど新築とかわらない内容でした。
費用も当然、新築またはそれ以上にかかりました。
震災後の物資不足の影響をもろに受け、工事が完全に終わるまでに細かなことも含めて5ヶ月伸びての完成です。
出来上がってみると不思議なもので、ずいぶん前からそうだったような気がしてきますが、古い写真を見て比較すると全く違うことに気づきます。
しかし確認申請をとり、検査まで受けるリフォームは滅多にない大事業ですので、そのうちHPにまとめて紹介するつもりです。
|