鈴木アトリエ
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つれづれ日記

2012/01月

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10日「国立の家」リフォーム完成! / 12日「師岡O 邸」雑誌
16日 「宮原の家」久しぶりに、、、すでに11年
18日 エクスナレッジ本の原稿がすすまない!
24日 「house1300」のテレビ放映
25日 ようやく出版!「場所論/隈研吾(市ヶ谷出版)」

・・ 「国立の家」リフォーム完成! ・・ 1月10日(火)
思えば東北大震災の日。
私は工事の担当者とこの住宅「国立の家」にいました。
明日から改修のための解体を始める前日のことでした。
 築50年を超す、瓦屋根の大きな住宅。当時の大工が200年持つ!と豪語した住宅。
この家を2世帯に改造し、駐車場をつくり、増築も行いたいというお施主様の10年越しの構想でした。融資を受けるほどの大きな規模のリフォームですので、基礎の補強(ほとんど外周部すべて打ち増しして新設)構造の補強(柱のやりかえ、梁の交換、筋交いの見直し、金物の設置)、断熱基準の見直し(サッシュ全部ペアガラスタイプに交換、断熱材を現代の省エネ基準に適合) 電気回路のやり直し(ブレーカー回路数の増設、ネット配線など)設備やり直し(水道管移設、交換、ガス管交換、排水ルートと枡の交換)など、ほとんど新築とかわらない内容でした。
費用も当然、新築またはそれ以上にかかりました。

 震災後の物資不足の影響をもろに受け、工事が完全に終わるまでに細かなことも含めて5ヶ月伸びての完成です。
出来上がってみると不思議なもので、ずいぶん前からそうだったような気がしてきますが、古い写真を見て比較すると全く違うことに気づきます。
しかし確認申請をとり、検査まで受けるリフォームは滅多にない大事業ですので、そのうちHPにまとめて紹介するつもりです。


国立の家リフォーム後

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・・ 「師岡O 邸」雑誌 ・・ 1月12日(木)
 なぜか4ヶ月ごとくらいに使わせてくださいと依頼を受けるこの「師岡O邸」写真。
 それほど事例が少ないとは思えないのだが、、この2年で6回は使われている写真です。
 キッチンに続くワークスペースとベンチ。
コンロの左側に大きなゆとりがないと油が飛ぶので、それを見越してのゆとりがない場合はなかなか作れていないかも。

 すでにお子さんはどんどん大きくなっていますので、10年後に同じポーズで写真を撮ってみようかな?(笑)
「師岡O邸」

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・・ 「宮原の家」久しぶりに〜すでに11年 ・・ 1月16日(月)
 中庭のガラストップライトを交換しに行った際に、経年変化を確認してきました。
 壁の漆喰などはきれいなままですが、ビニールクロスや人工材料はそろそろ痛みが見えてきました。色褪せるという感じでしょうか。やはり素材は本物だけが残る気がしています。完成当時に気になった材木の色もすっかりと同化して色が落ち着きました。
 この住宅の中庭は8年目に当時使ったデッキ材(ケンパス)を交換して、人工ウッドで耐久性を試していますが、、、やはり紫外線で反ったりするのですね。夏に暑い!のが気になっていたのですが、本物の材木とは違って、人工木材は、歩けないほどに熱くなります。
手間が掛かるとはいっても自然素材はやはり良いなあ、と思いました。
「宮原の家」
「宮原の家」 「宮原の家」

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・・ エクスナレッジ本の原稿がすすまない! ・・ 1月18日(水)
 昨年の夏に話を受けて、進めている出版の話。
 タイトルは仮ですが「住まいの正体」とか、、「住まいの選手名鑑」という感じで、今までの住まい作りの経験から、間取り偏重主義に対するカウンターパンチを!下すべく、住まいの居心地とモノの関係を書くということで進めるはずが、、、全く時間が取れずに原稿は延び延びになっております。
 1冊ネタ帳のようなスケッチブックをいつも鞄に仕込ませてあり、暇を見つけては書こうと思っているものの、、、車で現場を回ることからまったく作業ははかどりません。
ついに半年経過。 そろそろ出版社に起こられるかも知れません!がんばります。

エクスナレッジ本の原稿

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・・ 「house1300」のテレビ放映 ・・ 1月24日(火)
 竣工して6年の「house 1300」が先週金曜日の夜10時「ニッポンのミカタ!」というテレビ番組で取り上げられました。ビートたけしさん&国分太一さんが進行役で、テーマはズバリ「小さいことは良いことだ!?」
いったいどんな内容になるのか、時間帯、出演者から想像すると・・・この時、、不安>期待。

 「house 1300」はその名前の通り、予算1300万円という当時でも破格にローコストで、お施主さんから予算を聞いて無理です!!とお断りしかけた住宅です。それでも設計を受けたのは、お施主さん家族の独特な生活感、そして超ローコスト予算が相俟って何か新しい住まいのスタイルが見いだせるかもしれないという思いからでした。
「house 1300」
 さてテレビではテーマから想像した通り「狭小住宅」が順々にちょこっとづつ紹介され・・でも中々出てきません。って思ったら「となりの晩ご飯」でご存知のヨネスケさんが現れ、「house 1300」の外観がついに映し出されました。

 今までの狭小住宅の紹介とは違った長い時間で軽快なレポート、大きく育っていた3人の子供達の姿とともに「house 1300」のお施主さんの楽しい生活を素敵に紹介してくれました。1階のロフト扱いの「地の間」では大容量収納と走り廻って遊ぶ子供達、2階では小さくとも機能的で使いやすいとキッチンを奥様が紹介し、そして子供達が居間に浮かぶ中庭をちゃんと「天の間」と呼んでいるのにビックリ!「他の家とは違うの」と誇らしげに話す姿が印象的でした。映し出されたお施主さん家族の笑顔にすっかり放映前の不安は消えました。でも「舞台」と名付けた宙に浮くベランダに触れてもらえなかったのは少々残念。
 そのうちにこの動画をホームページでこっそり紹介できたらいいなと思います。

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・・ ようやく出版!「場所論/隈研吾(市ヶ谷出版)」 ・・ 1月25日(水)
 今日は夜、出版を記念してのささやかな内輪のお祝いがありました。
昨年のちょうど2月。震災の1ヶ月前。この建築の出版業界の暴れ者である澤崎氏か電話があり「今や世界で有名な隈研吾にテキストを書いてもらう!と企んでいるのだが、いかんせん多忙だから相手にしてくれないんだよ、その気にさせるには一度こちらで本をまとめて持って行きたいので手伝ってくれ!」と投げられたのが始まり。
 日頃の忙しさもあって、有名な建築家の本をまとめて読む事も最近は無かったので、勉強も兼ねて早速、すべての著書、講演会の録音記録を集めて読み込み、彼になりきったつもりで、ページの構成、レイアウトや写真の選定、文章の継ぎは 
ぎで作り上げ「その土地、その場所での設計行為という作業を細かくリアルに伝えるような教科書=テキスト」を目指してまとめてみました。

 その後すぐに出版社の方は隈氏と面談し、いきなり出来上がった(みたいな)仮製本を見せ、「こちらは本気ですよ!先生、作りましょう!」と伝えたようで、超多忙な建築家をその気にさせて、この本作りが始まりました。
 その後はこちらの手を離れ、その気になった隈建築都市設計事務所のコアスタッフがものすごい力量で誌面作りにはいり、文章も全て書き直してようやく完成しました。その進行の過程とメールのやり取り、文書の校正など、本作りのすべてを私は横から眺めているだけでしたが、迫力のあるやり取り、妥協しない文章の校正など、さすが世界の建築家になる人は違うなと、感心しておりました。本の後ろに、編集協力で名前を載せていただけるなんて、光栄です。 本日出版され、明日から本屋に並びますが、すでに増刷にはいっているようです。

 そういえば、増田奏さんがエクスナレッジから出した「住まいの設計図鑑」。もとは出版社の人と飲んでいる際に「増田奏さんという方の大学での講義用のメモ紙はすばらしいから、、ぜひ本にまとめると良いのでは?」と投げかけたのが始まり、鼻の利く編集者がまとめる事で大ヒット!昨年も4万5千部と、建築界では異例の大ヒット本になっています。
 私はそんな事ばかりやってますので、自分の本はいつまでたっても書けないですね。
お祝いから帰ってきて、、また事務所で図面のチェックに明け暮れ、すでに深夜ですからね(泣)。


場所論/隈研吾(市ヶ谷出版)

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