鈴木アトリエ
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・・・・・Suzuki Atelier・・・・・

uri
つれづれ日記

2008/07月

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7日 GIANT/ 8日 カヌーがいつのまにか壺!/ 17日 緑色のコート・・・芝生製
19日 車椅子体験/ 20日 花火/ 21日 海の日にコストコ
・・ GIANT ・・ 7月7日(月)
「The Little Girl Giant」
フランスのナントで毎年開催されるパレードというか野外人形劇。
U-tubeの画像でこれを見たときちょっと恐ろしかった。
まるで生きているような表情、視線、愛らしさ。
これは現実に生きている訳ではなく、人形だ!ということはわかっていても なんだか妙にリアル。

http://jp.youtube.com/watch?v=qBXr15K2uSc


uri The Little Girl Giant
同じく巨大なものといえば、十和田現代美術館に置かれている ロン・ミュエクの「スタンディング・_ウーマン」もすごい。
驚きと同時に凝視してしまう。逆ににらまれてしまう。
最初雑誌で写真を見たとき、これは合成写真だと思ったほど。

この2点が最近ちょっと新鮮な体験でした。
いずれも巨大で、スケールを超えていて、そして目を疑う。。。。

uri
standing woman
これって?そもそも建築の持っていた体験感覚ではなかったっけ??
ピラミッドもゴシック建築もその当時としては斬新、目を疑う感覚と体験が、 人間の感覚を活性化し、新しい認知をもって、意識を拡大していく。 建築の効能はそういった刺激であったはずなのだが。。。。。
それとも建築ではそんな体験、最近出来なくなって 建築はもはや、安全で保険の掛かった単なる箱になりつつあるのか?
否!そうではないことを証明しなきゃね。


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・・ カヌーがいつのまにか壺! ・・ 7月8日(火)
日吉の現場では上棟してからしばらく経つのですが、想定外に難航している造作工事があります。
この形を作るのにすでに3週間。それでも全体のまだ25%位しか進んでいません。
一人の大工が1日かけて1平米程度しか進まない作業なのです。
予定では90人工かかる予定だとか。。。ちょっと聞いて恐ろしくなりました。さて、どうしてこんなことになったのか??
(このいきさつを聞くとますます大工が怒りそうですが、告白します!)

実は設計プランを進めていくうちに、
『地下では膨らんで部屋として使え、玄関から見た視線では邪魔にならないように絞るスタディー』が進むうちに、だんだんと入れ子になる構造体はこの形しかないと思うようになっていきました。


日吉A邸
しかしこれはどうやって作れば良いか??
日々頭を抱えていたのです。

曲がるベニヤを貼っていく?
お湯につけたボードを曲げながら貼っていく?
サッカーボールのように5面体を貼って左官でしごいていくか?? などなど

様々な試案をして時間が過ぎておりました。 しかし!あるとき工務店の社長Mと専務Hさんと居酒屋で飲んでいる時に「ウチで以前カヌーを作ってまだ置いてあるのですが、要領は同じでしょうから出来ますよ!一度見に来てください、意外に簡単ですよ!(これは言ってないかも?!)という話をしてくれまして、それを聞いたとたん!私の脳には完成したすばらしい完成形がイメージできたのです。早速飲んだ後で事務所に戻りカヌーの製作過程をネットで調べているうちに「これだ!」と興奮して現在に至るというわけです。

しかし!始めて見ると実際には予定通りにはいかないものです。 12本の集成材を曲げ加工したものに細幅の厚み6mmくらいのパイン材を貼付けていっているのですが、当初は4.0mのパイン材をどんどんホッチキスでとめるように巻いていこうと考えていました。でも、やってみてわかったのですが、曲線ではなく曲面であるということから、6mmの材は思うようにねじれてくれないのです。そして貼ろうとしても渦巻き状になっていくという問題もあり早々に挫折。12スパンごとに細かく分けて貼ることに変更。しかも予定外の補助リブまでつけることに。 これを考えた設計者と専務Hさんへの厳しい視線はそのままに、大工さんにねぎらいの声をかけても、まだまだ続く見果てぬ作業に薄ら笑いになりつつあります。

でも、そうして出来上がった形はやはりすごいものがあります。
手間暇を掛けるということの大切さだけは伝えていこうと思いますのでがんばってください!



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・・ 緑色のコート・・・芝生製 ・・ 7月17日(木)
造園屋と壁面緑化の相談をしていた時に余談で聞いた芝生コートの話が面白くて、 どうしても見たい!とお願いして見せてもらったのがこの写真です。 英語でコートといえば(COURT)という囲まれた場所の意味と,(COATS)は洋服。この写真の場合2つの言葉の意味を掛けているという駄洒落に笑うのですが、それと同時に実はこの写真を見たときすごく大切なことを感じたのです。 私たちは芝生COURTを見れば「あー寝っ転がりたい、いいよねえ、、、弁当持っていってピクニックなんか、、、お茶もね。」など、すごく良い印象でその場所での体験をイメージすると思います。しかし、この女性が着ているCOATを見たとたん、着てみたい!というより実にチクチクしそうでちょっとなあ、、、と感じると思うのです。同じ芝生で出来ているのにどうしてなのでしょう。COATは肌に触れるものですから生理的・身体的な皮膚感覚からは耐え難く思い、COURTの場合は視覚的イメージがつきまとうからなのではないか、と思えませんか?つまり視覚が呼び起こす快楽と生理的な身体の快楽という視点は、同じモノに全く別の評価を与えてしまうということなのです。

芝生コート
実は今設計している「茶室」、一般住宅内で8畳間ですから、費用も掛けられずそれでもなんとかしようと考えていたときデザインの力でうまく出来ないかと考えてもどうも駄目。本当の良き茶室を見るたびに溜め息ばかりが出てきて困っていたのですが、それはこの写真で気づいたのです。つまり茶室の価値は形の問題ではなく、そこに使っている素材、左官の土のぬめり、節目や木目、和紙の感触、朱や漆の艶。鉋掛けした杉の肌だとか障子越しの木陰の揺れ、そういったパーツの一つ一つがすべて手や指などの触り心地の良さを求めているからなのです。茶室は触り心地の快楽なのです。したがって視覚的な快楽を求めて寸法と形だけ真似ても、居酒屋や和風飲食店のインテリアの軽さになってしまい、何かが違う、安っぽい。となってしまうのだということがわかりました。いやはやこれは大変難しい。

もしかすると最近の住宅の流行である自然素材も、お施主さんは言葉では言わないけれど 手触り感を求めているからなのでしょうか? 逆に子供たちが夢中になっているゲームの世界は指を使うといっても、そういえば視覚の快楽。これが生理的・身体的な感覚を狂わせているのかもしれない。最近の嫌な事件の原因はここにあった!なんて幅広い話になってくるのだが。

いずれまた考えてみます。 このへんで仕事に戻らなくては〜


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・・ 車椅子体験 ・・ 7月19日(土)
貴重な体験をしてきました。
車椅子に乗って、実際に街中を自分ではしってみたり、一般的な住宅の室内サイズや段差を車椅子に乗って取り回す建築設計関係者対象の体験セミナーに行ってきました。

まず驚いたのは、車椅子の種類の多さ。電動式と自走式くらいは街中で見たことがあり認識はありましたが、 私の乏しい認識の範囲をはるかに越えた多種多様の車椅子がセミナー室に並べられていました。 取り回しの関係で室内用と外部用があることすら、まるで知らなかった。
車椅子は車輪のついた走る椅子だと思っていたので、子供用、大人用の大中小くらいのサイズ展開かと思っていたら 乗る人の各サイズを採寸してつくるらしいのです。
自転車のオーダーメイドのよう。
そして、車椅子の畳み方をレクチャーしてもらいました。これも初体験。
指1本でペッチャンコにたためるんです!機種によっては車輪も外せて、よりコンパクトになり車などにより積み込みやすくなるのだとか。

なにより驚いたのは、車椅子に乗って実際に外へ出て歩道を走らせる大変さ。
日頃は歩道の水勾配なんて全く気にしてませんでしたが、このたった2%程の水勾配で、あっという間に車椅子が車道方向に寄って行ってしまうのです。そのため左右の腕のバランスをかえながら車輪を回さなければなりません。なかなか思うように真直ぐ進んでくれない。 車輪は軽いけど、腕力の持続力はかなり必要でゼイゼイしました。
室内体験でも、たった3cm程の段差を乗り越えるのがなんて大変なことか。上手くやらないと、前車輪を上げたとたんにウィーリーして 後ろ側へ頭から転倒してしまうそうで、前車輪をちょっと上げるだけなのに凄い恐怖感でした。実際こうして転倒するんだとか。

健常者として生きている人は車椅子生活とは無縁と思いがち。でも誰もが何時その立場になるか分からない。 まして高齢になってからでは体力的にも気力的にもかなり厳しいことなんだと実感しました。 車椅子に乗りながら「慣れてないからな〜」と参加者は言い訳のように口にしていましたが、今、車椅子生活の人も初めは私達と同じく「慣れていない人」だったわけです。

設計者が頭でしか身障者の行動を理解していないと、身障者用に傾斜路や点字ブロックを設置する際、 デザイン的に善かれと思って傾斜路を周囲と同じ色に仕上げた結果、転倒事故が多発してしまったり 点字ブロックを美しく配列しようとして他のタイルを組み込んでで模様張りした結果、役がたたなくなってしまったりしている、 そんな実例をセミナーでは次々と紹介しました。確かに、有りがちな事です。本当に気をつけないといけません。

何ごとも実際に経験してみると世界が変わりますね。

車椅子体験 車椅子体験


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・・ 花火 ・・ 7月20日(日)
横浜の国際花火大会へ。。
今回は夕方から焼き鳥や枝豆などを買い込んで、飲み物片手に花火大会の最初から最後まで、花火打ち上げ場の海を挟んだ向かいの埠頭で観覧しました。 中盤から花火を打ち上げた煙が大きな雲となって花火の大輪を隠し始め、後半には花火大輪の上下しか見えない事態になり、周囲から飛んでいるヘリコプターに向かって「煙をどけて〜」と声があがってましたね(^^)
花火をみると本格的に夏が来た気分になります。。
花火


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・・ 海の日にコストコ ・・ 7月21日(月祝)
「海の日」なので海方向へ行こう〜!と行き先を考え倦ねた結果、金沢八景のコストコへ行ってきました。(一応海方向だし...) コストコは会員制アメリカのスーパー。お施主さんからよくその噂を聞いていたのでいったいどんな所?と一度行ってみたかったのです。
コストコ
結局こんなに買ってしまった
いざ行ってみたら、まるで倉庫のような建物の中は生活家電から生鮮食品、洋服、ブランドバックまで多種多様な品揃え。 巨大なショッピングカートに溢れんばかりに商品を乗せている人、人の群れ。。おまけに店内はアメリカの臭いまでするのです。 品物すべてがアメリカサイズだったので、買うというより観光気分で、巨大なビニールプールや重くて使いずらそうなデカアイロン、かわいらしい激安お誕生日パーティーセットを見つけては楽しんでいました。
それでも帰りには私達のカートもいつの間にか商品でいっぱいに。買ったのはベーグル12個詰合せや巨大炭酸ボトルのセットなど食料品ばかり。しかし、こんなにどこに仕舞おう・・。 価格は激安品も多いけど、中には詰め合せの量の多さに思わずお買い得気分なものも、冷静に換算すると高い商品もあるので要注意。
コストコの中で食べられるピザはすごく美味。ドリンク飲み放題をつけても380円!間違いなくお得です。

コストコは、ちょっとしたアメリカスーパー観光が満喫できる場所でした。


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