鈴木アトリエ
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・・・・・Suzuki Atelier・・・・・

uri
つれづれ日記

2005/4月

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23日(土曜日)・・恋子さん・・

自分が設計した住宅が、その後時間を経て、すてきになっていくのは実に楽しいし、 ありがたいことで、設計冥利に尽きる。

ふとしたことで見つけたブログで、数年前に設計した「上池台の住宅」が、見事な花に囲まれているのを発見。いやはや建物だけで精一杯だった当時、庭などはただの荒地。それをよくもここまで手入れしたものだ。旦那さんに聞くと、「仕事から帰ってくると、一人で暗闇の中ごそごそいつまでも庭いじりしてますよ」というように、相当な馬力でほぼ1年かけてガーデニングしたようで、それは未だに継続中のようだ。

先日偶然近くまで行ったので寄って見ると、池を自力で作っており、その壁に噴水のごとく象の鼻から水がでる、石の置物を旅行で買ってきたようでそれを着けるのに奮闘していた。
NHK「おしゃれ工房」真っ青。一度出演すると良いかも。
いやはや、数年経つと、「カリスマガーデニング主婦(OL)」として登場してくるのではないか??

そのページは→ http://koiko05.exblog.jp/

22日(金曜日)・・JIAでの活動・・

今年から日本建築家協会(JIA)という建築家の職能を社会に知らしめる団体の会員になった。。。
6月には新人入会者の展覧会として「模型の力」と題した展覧会を行うため、先日夜に集まって議論。
近い将来の街の表情を設計していくであろう若手建築家が多数集まった。

「建築家の職能を社会に知らしめる」のは本当に大変なことで、建築に真剣にたずさわる設計者の社会的地位は本当に低く、 努力すればするほど儲かるのではなく、収入が減り、夜中までの仕事が続き、休みはなく、疲労がたまる構造になっている。

テレビやドラマでは建築家は相当かっこ良い職業とされ、きれいなオフィスで日中はミーティング、夜はバーで一杯〜・・なんて姿で描かれているのだが、 現実とは相当ギャップがある。

毎年建築学科に入学してくる大学生は「かっこいい建築家」に憧れて入学するものの、だんだん大変なことがわかってきて次第に辞めていく。
私は辛さよりも設計の面白さに魅入られてしまったので今までやって来れたのだろうが、 若くて有能な人材が建築設計の道に進まなくなるのは大問題である。

なぜこんなことになっているのだろうか?

そもそも、弁護士/医師/建築士の国家三大資格は、そうとうな価値をもって与えられた権限であったし、 職能としての日々の努力や高度な技能、あるいは専門的な知識によって与えられた権限であったため、 その価値と特権を維持するために、弁護士会/医師会/建築士会なるものは、昔から存在していた。
弁護士会などは、報酬額の設定をみずからきちんと決め、それが未だに続き、ダンピングを自ら行う馬鹿はいなかったため、 現在でも30分5千円という相談料などが明示されている。

しかしながら建築界は、かなりの馬鹿だった。
当時からあった、設計および施工の一体会社である現在のゼネコンのスタイルは、総合建設業と自らを呼び、 建設の巨大業務を受けるさいの営業手段として、「設計料はサービス」として初め、自らダンピングを始めてしまったため、 その言葉が現代まで続いて一人歩きして「設計料はサービスします」となって現在に至る。

建設業者にとっては巨額の工事費からすれば、数%の設計料なんて誤差みたいなものだろう。 経費率25%を目指す建設業は、そもそもそう言った感覚で設計という行為とその価値を地に陥れた。 つい最近でも某警察署の設計業務が、入札により「設計料予定額4000万」というところを、なんと!8000円で入札した馬鹿がいる。 それも名の通った有名な組織設計事務所である。こんなことをやっているから、笑われるのである。

でも、なんで?8000円で出来るの?
若いアルバイトの日当の1.4倍程度の費用で、何百枚の図面を書ける?、構造計算の費用は?模型の検討は?打合わせのお茶は? まったくナンセンス。そこまで陥れないと、仕事が取れない?その他で回収するの?

ともかく、話しにならな事が現実に起こっている!
そんな仕事のやり方、自分の子供に自慢できないよなあ〜。

そんな空気のなかでJIAという職能団体はどうしていくか・・・が私たちに課せられた課題である。
いかんせん、普段は小さな住宅設計を生業としている身では、 こんな話は、ハリケーンに呑み込まれた葉っぱと自分の姿が重なり、気が重い。

10日(日曜日)・・篠原水道道の家/壁塗り・・

来週オープンハウスを予定している住宅の内部壁に「タナクリーム」を塗る作業で、
お施主さん、鈴木アトリエメンバーは現場集合。

いざ作業に入ると、いやはやかなり難しい。
最初から調合されているものの、ドロッとした塗材の扱いが難しくかなり難航。
道具が問題なのかも?とホームセンターに左官コテを買いに走るも、 プロが使っている良い道具は置いておらず、仕方が無く使いにくい道具を購入。
午後になると10平米に20Kgという「タナクリーム」はすぐに底を尽き、 ホームセンターで珪藻土をあるだけ購入。小袋でしか売っていないため、港北区のホームセンターから すべて買い占めてしまった。

しかし日本のホームセンターは本当にダメだ。アマチュアの使うような設定になっており、本当に作業しやすい道具も材料も数が揃ってない。 ともあれお施主さんやそのお友達、これから自分で塗ろうとする「茅ヶ崎音楽室のあるの家」の お施主さんも参加してみんな黙々と作業。 夜の8時に材料が尽きて途中終了。来週間に合うかな〜。

タナクリーム塗り 珪藻土 昼食はお施主さん手料理 今日の作業終了
タナクリーム塗り タナクリームがなくなり
珪藻土を急遽調達
お昼はお施主さん手料理を
いただきました
珪藻土がなくなり
今日は終了

9日(土曜日)・・せっかく尾道泊なのに〜・・
尾道の海 尾道の海

昨日の宿泊は「尾道」。私にとって瀬戸内の景観は育った街であるから異様に懐かしい。 坂/海/造船所のクレーン/灰色/潮の匂い/船/学校校庭の白い砂浜といった要素は 自分の原風景だからだろう。

タクシーの運転手に行き先を告げると、俳優の「反町隆史」とやらが同じホテルに泊まっているらしい。部屋について尾道水道 (海)を眺めると、実物大の「戦艦大和」の一部が造船所に造られているいるの にはびっくり。映画の撮影のため、セットを作っているとか。

尾道ラーメン

よし、せっかく来 たのだから今日は小魚の料理で日本酒をぐい!と行くか!!と心に決めていたの に、「尾道ラーメン」の朱華園にいってラーメンを食べてしまったせいで満腹。 そのまま終わってしまって、かなり後悔・・。

さっぱり醤油味の尾道ラーメン

8日(金曜日)・・暮らしUP!in 福山・・

今日は朝一番の新幹線で広島県福山市へ。
桜がようやく一斉に咲き始め、どこに行ってもお花見モード。
それなのにこちらはなぜかやや緊張モード。
その理由は会場近くの駅までの間、車窓から見た風景が、
今日これから行なう「暮らしUP!2005」の講演内容に相応しいとは思えなかったから。

大阪、東京といったいわゆる都市部で好評であったため、今回もそのままの内容で準備してきた ものの福山の景観はあまりにも違っていた。かなりの数の瓦屋根の町並み、どの 家も同じタイプの造り、屋根は複雑な寄せ棟で典型的な山陽地方の民家の流れ。 敷地は明らかに広く、近隣との距離を気にする間でも無い、ここは農村部の景観 なのだ。このような地域でリフォームの要望は都市部と同じ???と考えると急 に不安になってきたのだ。

さて結果から言うと、盛況であったので良かったのですが、私自身は緊張していたようで
講演では口は乾きっぱなしで不調でした。

帰りに駅で売っていた魔法の「ノニジュース」を思わず買ってしまいました・・・・・!

福山城 会場駅 ビックローズ
桜満開の福山城 のどかな会場最寄り駅 暮らしUP!in 福山の会場ビックローズ

4日(月曜日)・・今年の傾向・・
毎年2月を過ぎると事務所への問い合わせが増え始め、様々な相談が舞い込んできます。
今年の傾向は、「土地!」がないか、それを買う前から「判定してほしい!」という相談が多く
今までにない傾向にあります。
アウトバック 今年は既に設計を始めている案件がすでに4件あるのでもう受けられない状態で、
秋までは断る覚悟でしたが、1件クライアントの都合で延期になったので
いっそ3件のままにしておき、旅行でも!と想いを馳せていたところへ
自分の乗っているスバルアウトバックのミニカー(非売品)を貰ってしまい、
設計を受けてしまった。。。

3日(日曜日)・・ギターの日曜日・・
ギター
コレクションの一部です

昨日の見学会も終わり、今日は事務所に某ミュージシャンが訪ねてきました。 ずいぶん前から貸していたMartinD-35とLowden O-12Cを返しにやってきてくれたのです。

その方はプロだから、ほんとギターがうまい。最近録音したCDの音源もいただいちゃいました。自分のコレクションを一気に弾いてもらおうと、久しぶりにすべてのギターをケースから出しチューニング。幸せな数時間を過ごしました。

今年から私もギター本格的に習おうか?と思ったのもつかの間。夕方から今日来たクライアントの敷地とにらめっこ。なんと・・・難しい。こりゃ困った。車2台置いたらすでに狭い!いやはや悩ましい。 あっという間に夜になってしまい、ギターは弾かずじまい。またケースにしまい倉庫へ。 ああ、いつまで経ってもギターは上手にならない。


2日(土曜日)・・見学会で思うこと・・

今日は「川島町の家」の見学会。

いつも思うのだけれど、見学会において残念なのは、
こちらが意識しているような見方はなかなかしていただけないことです。

例えば畳床を作るときは必ず座って、その視線でいろいろ考えて作るのだけれど、
ほとんどの人は立ったまま。
歩き回ることが多くて、家の中で普段のように、座ったり居る場所に落ち着いて見られないことが多いのです。 特に小さな家では同時に10人以上が家の中に呑み込まれますので居場所がなくなってしまうのも無理はないか。

それにしても必ず最後は立ち話でキッチン回りに人が集中してしまうのはなぜ?
それとも無意識に一番居心地の良い場所に集まるってこと?
(それはこちらの意識と違うので多分違うと信じたい)

ともあれ、17日にはまた見学会です。 ああ、バーベキューでもやりながらオープンハウスしたい!
一日立っているのは結構しんどいですね。

見学会 見学会 見学会


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