全ての分野で、なにかと「自然にもどろう!」というムードが広まりつつある今日この頃、
建築界も御他聞に漏れず、その影響がかなり見られます。
それ自体はとても良いことの1つだと思うけど、そこにはちょっと「?」があります。
こだわっていること、偏ってませんか?
いくら良い材料を集めてきたって、その材料を生かした使い方まで、ちゃんと考えているのかなあ?
自慢のお家を見学させてもらったら、素晴らしく良い材をあちこち使って施工されているんだけど、
なんか変!っていうこと、結構あるんですよね。
何で変なんだろうと改めてよく見ると、その「良い材」と「良い材」の取合いを、バランスも考えず、
ただ良いからって寄せ集めて使っていて、材料の押売みたいになってる。
それなのに基本的な納め方はないがしろにされて・・・・・・
料理で例えるなら、雑誌やTVで情報収集した最高食材を産地直送してもらって、いつも通りの調理しか知らないから、取合えずいつも通りにやってみたら、やっぱり大して美味しくないなあ・・っていう感じでしょうか。
というか、大概、それはまずい料理なっちゃうんですよ。
でも、本人は鼻高々、最高料理だと思っている。自己満足以外の何者でもないでしょ。
最高食材を調理するには、それなりの知識と技術がなくっちゃでしょ。
逆に、どこでも手に入るお手軽材料を駆使して、目茶、美味しい料理を作り上げる人だっているでしょ。
それが真のプロだと思うんですよね。
もちろん、そういうプロは良い材料を使うなら、ちゃんと事前研究して、必ず生かすように扱うはず。
どの世界も同じですよね。
基本も判らず、プライドばかり掲げ、ただ材料や設備に頼って作り上げたって、創造じゃなく、工作。
単なる自己満足にしかならないこと、設計者として仕事している人は自覚してほしいです。