うりり〜ん日記 〜〜〜〜〜〜

 2002.7.12(金曜日)

哀しい知らせ

今日、悲しい知らせを聞いた。
今まで2軒の住宅と改装を1軒、施工していただいた工務店が倒産した。
世の中不況と耳では聞いているものの、身近な工務店がそうなるとは思ってもいなかった。
何が原因で、なぜなのかはまだ分からないが、とある設計事務所の仕事が多分原因だろう。
業界の噂はすぐに職人レベルから伝わってくる。
しかし、4ヶ月前まで現場で出会った、大工さんや職人さんは、腕も良かったし、 みんないつも協力してくれて親切だった。彼等のことを考えると、なんだか複雑な気持ち。

最近どこも工務店がきついのは分かっていた。
熱狂バブルのとんでもない時代から、普通の状態に戻っただけなのに 未だにその夢を引きずっている経営者。
そんな経営者は潰れて当然なのだけれど、 そればかりが原因ではないような気がした。
安いコストの中で無理難題をいつもお願いばかりしている 私達設計者も悪いのかも知れない。

またクライアントも変わってきた。
メディアによる消費の煽動によって、夢はとてつもなく大きくなるばかり。
一方でコストダウンと安売りのチラシ競争の中、 「良いもの安く!」のマツモトキヨシではあるいまいし、 住宅がどんどん商品化されて、住宅に対する意識が変わってきている。
車と同じようにスペックを求められ、値引きが当たり前になり、 本来ならば、建築は「売買」ではなく「請負」なのです。
図面をもとに、それを見積もり、その金額ならば責任を持って請負うという 仕事なのに、その金額をいつも削らざるお得ない「予算」の低さ。
作り手の情熱と熱意のなくなった建築は、このままでは死んでしまいそう。
少なくとも設計事務所に設計を頼んでくれるクライアントは、 住宅を商品だとは思っていないのが幸いですが、やはりコストはきついものが多い。
ココ数年は、設備などの要望がかなり増えているのに対して、コストは上がる気配もなく、 現場の経費削減と設計のサービス残業で、なんとかしている状況。
また、そのしわ寄せを工事で調整したい工務店とそれを許さない設計監理者との戦い。
設計者が勝ってばかりでは、工務店はどんどんきつくなって熱意が失せるし、 工務店に負けてばかりでは、事務所は品格が問われてしまう。
難しい仕事になってきました。(づづく)

 2002.7.2(火曜日)

無力・・

今まで気をつけて、気をつけて、絶対に持ち込まないようにしていた災いがやって来た。
それは猫のノミ。
こればかりは人間のハイテク機器はまったく通用せず、ひたすら掃除また掃除に尽きる。
何が原因で、なぜなのかはまだ分からないが、とにかく外には出さないうちの猫に外部(多分アトリエの猫を触りまくってノミに寄生された人間N)から持ち込まれて大量発生!が真実だろうけど。
ノミアレルギーの私の気分は半狂乱!!

早速、夜はミュージシャン、昼間は獣医の友人相談し、「近くの獣医で買ってくるといい。」と教えられたノミ排除薬「アドバンテージ」を近所獣医で聞いてみると、なんと置いてない!
獣医の友人には『 「フロントライン」は値段が高いし、ノミだけなら必要無いよ!』と言われたのにその高価な「フロントライン」しかない。
「?」という顔をしてると「良い薬だから」と近所の獣医は私に言う。。
そういう事じゃなく、過剰設備なんじゃにゃいのかああ!と心で叫びながらも、他でさがす手間、家で跳ね回っているノミの大群を考え、その薬で妥協。。
でもその薬、ノミの成虫にしか効かず、やっぱり掃除掃除。卵や幼虫、さなぎは暗いところを好むと言うので 毎日のように家具を退かし、部屋のレイアウトが変わる。

後日、獣医の友人に聞くと、獣医にもランクがあって、一般の人々には判らないようになっているらしい。 獣医の場合、人間とは違い、値段の設定や診療の仕方、医療設備も厳しく決まっている訳ではないらしく、なかには、むしろ診せない方がいいという病院もあるとか。
なんだそれは?
そんな事をほとんどの人は知らない。いざ、大切な家族の一員のクロやコロが病気になったら直ぐさま近所の獣医に駆け込んで「診て下さい!」と叫ぶでしょ。

でも、設計事務所の世界も一緒かもと、ふと思い・・・・

 2002.7.1(月曜日)

いろいろ〜

昨年は日記をほとんど書く暇がなかったけど色んな事があった。
TVのワイドショーに「ローコスト住宅」で紹介されてしまったお陰で、 電話はずいぶん掛かってきたけど、そのほとんどの内容は「カタログを送って下さい!」。
いやいやこれには参りました。私達、設計事務所は、宣伝なんて事はほとんどしない人種。
「Aタイプ2500万円、Bタイプ2000万円、プランはこうなっております、、、、、」なんてカタログは量産住宅の会社がやる事で、初めて会うお客さんにいきなりプランなど作れません。
お話をまずはゆっくり聞いて、うちの事務所で可能かどうかを判断し、そのための準備事項を説明し、 それから今住んでるお宅にお邪魔して物の量などを計り、要望を聞いてから、少し時間を頂いて、 始めてイメージを作っていくのですから。
相談だけの場合だって弁護士のようにお金も取らずにやっているのは、 クライアントと住宅を創っていけそうかどうかを判断するためです。
予算がべらぼうにあるからって、ギリシャ神殿の柱を付けてくれって頼まれてもやらないのです。
で、結局TV出演から始まったそうした類の依頼は、数は多くとも全くその後音沙汰はないですね。


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