鈴木アトリエ
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・・・・・Suzuki Atelier・・・・・

ベジタブルガーデンにて
つれづれ日記

2011/01月

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5日 新年あけましておめでとうございます。 / 13日 新年恒例の「志の輔らくごin PARCO」 /  18日「南多摩U邸」それから・・ / 24日 東村山

・・ 新年あけましておめでとうございます。 ・・ 01月05日(水)
新年あけましておめでとうございます。

毎年繰り返されるこの言葉。
どこが!めでたいんじゃい?とツッコミでも入れたくなるこの頃です。

世相が明るいとは言えず、政治の雲行きも怪しく、レアメタルも韓国に取られ、中国には攻められっぱなしで、ロシアにも北朝鮮にも馬鹿にされ続けた昨年。アジアの周辺国が強烈に自己主張し始めたのは、その国の経済が明るく資金が豊かになってきたからと思うのですが、昨年の様々な事件には本当にビックリしました。

普段ニュースもテレビもほとんど目にしないのですが、年末年始、TVを珍しく長時間見ることになると、紅白で最近の流行歌を知り、坂本龍馬をまとめて見て、報道特集を見て、評論家同士のバトルを見て、新聞を読みまくるので、え〜!今頃知ったの?その事件。という状態なのです。
急に物知りになった気分で正月3日間を終えるというわけです。

今日から事務所は仕事開始。
早速昨年できなかった年賀状の紙面を考えてこれから印刷して、なんとか15日までに出そうと思いつつも、一方では年明け早々に設計/現場監理上の意匠造作を検討して指示しなければならず、なかなか年賀状まで手が回りません。
ようやく今夜になって昨年完成した建物のスケッチを描きつつ年賀状の紙面の構想が固まりました。ここ数年完成した建物を写真ではなく、簡単なスケッチで描くことにしていますが今年もその継続版です。
ついでにウサギを描こうと、思ったのですが描けない!!!!!!!!!! なので一旦中断しております。

そういえば新建築社。昨年9月に日吉の家を撮影してそれっきり音沙汰もなく、こちらもそのまま忘れていたら、年末に編集部からメールが入っていました。
「住宅特集3月号に掲載するので、、、、1月12日までに日吉A 邸の文章やら図面やら、、、送てください云々」
おお!年末にメールしてくるとは、、、なんて恐ろしい!
文章まとめるの苦手なのに。ああ早速に憂鬱な年明けです。

あいかわらずのこんな、あんなですが、おつき合い下さい!
本年もよろしくお願い致します!!m( _ _ )m

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・・ 新年恒例の「志の輔らくごin PARCO」 ・・ 1月13日(木)
  ここ数年の新年恒例行事になっている
「志の輔らくごin PARCO」に行ってきました。
数年前に「絶対面白いから〜」と仕事帰りに半ば強引に友人に連れて行かれてからその奥深さにすっかりハマってしまいました。それまでは、落語=「笑点」のイメージしかなく、志の輔師匠の名を聞いても「あぁ、ためしてガッテンの人ね?」位の認識。しかし実際に行ってみると超大作の映画を見終わったような充実感。落語に対する私の薄っぺらいイメージは吹っ飛びました。

今年の演目は右写真の通り3つ。お題だけでは暗号のようなのでちょっと解説。「だくだく」は貧乏長屋での面白おかしい古典、「ガラガラ」は商店街の生き残りをかけて福引きの1等に世界一周旅行を大奮発したのはいいけど、手違いで1等玉がガラガラに7個も入ってしまい、それを気合いで当たらないようにする・・・という現代面白話。
演目
 そして最後の話「大河への道」
今年「坂本龍馬」が大河ドラマで大当たりしてそれに便乗して変なお土産品が増えているらしい〜なんて枕話から本編へ。日本地図を歩いて製作した伊能忠敬を大河ドラマにし、街おこしにしようと考えた千葉県。しかし大河ドラマの脚本を引き受けたはずの脚本家が急に降りると言い出し、制作班に配属された役人が訳を聞いてみると、、、という現代+歴史の大スペクタクル巨編。

これは素晴らしかったです。思わず伊能忠敬記念館へ行きたいと思いました。前の2本の話も面白かったけど、これは感動で涙しました。落語で涙?と思われるでしょうけど、笑いもあるけど涙もあり、時には生き方を見つめ直すきっかけにもなったりするのが落語の凄い所。良いモノを聞かせてもらいました。

この日の講演時間は優に3時間を超えてました。これ以上短くは出来ないと志の輔さん自身も話していましたが、無理に短くすれば話の質が下がるからなのでしょうね。あの大きなパルコ劇場の大ホールステージに、噺家たった一人が座布団を敷いただけの舞台で、その話だけで500人近い人を一喜一憂しさせ、満足させて帰ってもらう、考えればものすごい業じゃないですか?

友人が私を強引に落語に連れて行ったように、私も数年前に旦那さまを強引に連れて行って以来、夫婦共通の楽しみとなりました。こうして失われつつある日本伝統の業のすごさを知り得たのは幸せなことです。

どの分野のモノでも「良いモノに触れ、知る幸せ」を大切にしたいです。


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・・ 「南多摩U邸」それから ・・ 01月18日(火)
大規模な区画整理のため、南武線南多摩駅前にぽつんと完成した「南多摩U邸」

北側には道路も無かったため、なんだか中途半端な敷地のまま1年が経ってようやく道路が完成して、車の乗り入れが出来る状態になりました。そこでお客様から道路からの目隠しと駐車スペースをどうすれば良いか相談があり、1年点検を兼ねて行ってきました。

道路は交通量の多い府中街道沿いですから、防音に関してはかなり念入りな施工をしてあるので家の中では車の走行音が気にならない位にはなりました。
外周り
しかし、まだ周辺の土地が不動産屋の所有のまま、相変わらず用途が決まらず当分は更地のままのようです。周囲の建物などが無いと、計画で配慮すべききっかけがつかみにくく、普段は密集狭小地ばかり計画しているので、自由って難しいなと感じます。

駐車場の造成方法と目隠しのスケッチをその場でして、見積もりを取ることにしました。 家の中の様子はどうかというと、プライバシーもありますので少しだけ・・。

皆さんが一番懸念していた、北側の洗濯干場はとてもうまくいっているようで、周囲から洗濯物が見えないまま、日当りもよく太鼓判を押していただきました。
ダイニング

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・・ 東村山 ・・ 01月24日(月)
建築知識」が主催するプロ向けの学校で、私と同じく講師を務める伊礼智さんが設計したモデルハウスが東村山にあるとのことで、見学をしてきました。

9年前に同じ号の「建築知識」で木造ディテールの特集を組んで執筆した縁で面識はあったのですが、あれから9年間で伊礼さんはi-worksの実績をどんどん積み、今度は「東京町家」という小住宅モデルを販売し始めるという、一建築家がハウジングメーカーを超えるような生産活動をしており、私たち住宅設計者が憧れる存在です。

私は当時まだ駆け出しのようなもので、毎日必死に設計しているばかりでした。あれから9年はこちらにも相当な実績が積みましたから、当時は気づかなかったディテールや考え方の基本を再度研究し、見学前日まで著書や図面を読みつくして出かけました。
外観

モデルハウスになっている住宅は25坪にまとめられた家族4人を想定した住まい。1階を個室群、2階をリビングと水廻りにしており、周囲の環境に対して、視線に十分に配慮した、素材にも気を使った居心地の良い住宅でした。

見学をしながら、あれ?自分がやってきた今までのディテール、収まり、建具の扱い、水廻りの処理などなど、ほとんど同じだ!と密かに笑んだのです。
しかし、私のやってきたことは間違ってなかった!と思ったのも束の間、説明をしてくれた施工者の専務から衝撃的な情報を教えてもらいました。
建物の施工費がなんと、坪100万円!なのです。

うーん悩ましい、一番の違いはこれだな、と。
うちで同じ納め方をしていながら坪85万円。安いもので坪75万円程度で納めて、工夫しているのですから無理もないです。いつも後一歩のコストが掛けられない悩みは、仕上げや素材、外構などに出るのですが、その差が坪15万円あったのです。

いくらがんばっても厳しいのは施工費か〜、、と。設計力が足りないからだと悩んでいたのですが、こりゃそうでもないなと考え直しました。逆に言えばいつもお世話になっている工務店さんは、安い金額でけっこうがんばってくれているのだなあと。。今年は少し標準化を試みてコストダウンを計る一方で、掛かるものは掛かる!という姿勢をきちんとお客さんに説明していかなければならないと思った一日でした。
内部

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