鈴木アトリエ
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・・・・・Suzuki Atelier・・・・・

uri

つれづれ日記

2008/05月

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4日「ゴールデンウィーク」13日「廃棄物処理工場見学」
24日「虹ヶ丘の家 オープンハウス」26日「日吉A邸」上棟
・・ ゴールデンウィーク ・・ 5月4日(日)
前々より行こう〜と思ってなかなか実現できなかった美術館めぐり散歩をしてきました。
渋谷〜品川〜上野〜と廻るつもりでしたが、やはり1日では無理だった。
なぜ美術館は閉館時間がどこもあんなに早いのでしょう・・・

まずは渋谷の
松濤美術館。。白井晟一設計。
駅からそう遠くはないのだけれど、やはり渋谷は人混みだらけで、徒歩15分ほどで到着。 閑静な高級住宅街に立地しているため、建物は地下2階、地上2階の低層建物。だけど その外観は圧倒的な存在感!内部には地下2階まで貫く円形吹抜けがあり、その底は水辺になってます。 1階レベルでブリッジがかかっているので光庭に出ることができるんだけど〜 内部空間よりも外観のインパクトが強かったです・・・

次に行ったのは、視覚障害者のための美術館、
Gallary TOM。内藤廣設計。
ここでは展示物を見て触ることができます。
入り口には「ぼくたち盲人もロダンを見る権利がある」という言葉があり、「その通り!」と、思わず言いたくなります。建物のいろんな処に設計者のこだわりを見ることができますが、1階の造り付けの収納棚の取っ手には感心しました。(笑)
建物はRC造。1984年竣工だから、もう築24年。竣工当時は屋根に架けた鉄骨梁にガラストップライトが一面あったようですが、今はすべて塞がれていました。打ち放しコンクリート壁はかなり痛んでいて、年月を感じます。

ここでランチタイム。 近くのポルトガル料理屋へ入りひと休み。
はじめてのポルトガル料理は想像以上に美味しく、店内も落ち着いた雰囲気で大満足。
BGMの日本歌詞のポルトガル民謡はちょっと演歌チックだったけど。

ランチで調子に乗って飲んだワインでちょっとクラクラしながら、次は品川駅からバスに乗って
原美術館へ。 ここも住宅地の一角に立地しているんだけど、前2つの建物と打って変わって混み混み状態。まあ、芸能人が結婚式を挙げるような場所だから混むのも仕方ないのかも。
渡辺仁設計。1938年竣工。古い洋館の佇まい。外観は真っ白。 もともとは個人の邸宅だったのを1979年に美術館としたそうです。1985年には磯崎新が中庭にカフェ を増築。 この中庭はとても気持ちよかった。
旧原邸は、戦後、GHQ(連合国最高司令官総司令部)に一時接収されたそうですが、GHQが知ってか知らずか、同様に接収され、マッカーサーの宿舎とされた横浜のホテルニューグランドも同じく渡辺仁設計の建物。

既に時計は3時。上野の芸大美術館へ行くのを諦め、新橋からお上りさん状態で建物を見上げながらテクテクと日本橋まで散歩しました。
日本橋の欄干のモチーフはあまりにダークな迫力。中でも麒麟像は日本橋から飛び立つというイメージから羽が生えたような形の背びれを初めて麒麟につけたそうで、その迫力からか、色んな小説に出てきます。。明治の建築家、妻木頼黄が装飾顧問。

本日ちょっと歩き疲れました。。。
松濤美術館 Gallery TOM 原美術館 日本橋
松濤美術館の吹抜け Gallery TOM 原美術館の中庭 日本橋の麒麟


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・・ 廃棄物処理工場見学 ・・ 5月13日(火)
廃棄物分別作業 私達の毎日は「リサイクル」活動を意識せずには生きていけない社会になっています。 でも、その実際はなんだか漠然としていて、遠い存在のようにも思えます。 本当にリサイクルの環はつながっているのだろうかと、疑問に思う事もしばしば。 そんな折、産業廃棄物処理工場の見学会があり、出掛けて参りました。

出掛けたのは鶴見区にある(株)永川組
工場の中を、紙白衣とヘルメットと顔がすっぽり覆われるマスクを配給してもらい、装着していざ見学。 裁断重機の稼動で危険だと、前と後ろに係員の方が付いて下さる形で薄暗く埃っぽい工場内を歩きました。

収集されたゴミは主に建設現場で出たもの。 例えば材料を束ねていたバンドや養生に使ったベニヤ、木材の切れ端など比較的分別しやすそうなゴミです。 それでも収集現場によって分別に差があり、一般ゴミなども混ざってしまっているので、分別から裁断処理、再生材料にするまで、手作業の比重は大きく、臭いや粉塵の中でのかなりの過酷労働です。 あまりに大変なので日本人でこの作業に就く人はいないそうで、従事しているのは皆、外国人労働者なんだそうです。

ちなみに、住宅1軒を新築するのに発生するゴミは60〜70万円ほどもあるそうです。

一通り見学した後に「今日は粉塵があまりなくてラッキーでしたね」と言う工場長。 でも、あたりはゴミの粉塵で白い靄が...。 毎日この埃の中で働く人がいなければリサイクル活動は成り立たない現状。 ここまでやって再生材料にしても、企業はリサイクルに対する意識はまだ低く、なかなか受け入れてくれるところがないとか。

リサイクルの環はまだ細く頼りないリングのようです。

経済産業省が掲げている「3R」といえば、Reduce(ごみを減らす)、 Reuse(再び使う)、 Recycle(再資源化)の3本柱。 物心ついたときから消費が社会経済を潤滑に動かすと教えられ、消費生活を身につけてしまった私達に この「3R」を実践する覚悟はまだまだのような気がします。

「新型機種」を売り出すことで利益を拡大してきたメーカもその方針を切り替えるのは難しく「新型エコ製品」を売り出して今までと同じように私達に消費を促し、私達も「エコ商品」の言葉にどこか言い訳を託して消費生活を続けてる。 たとえ、古いものを大事に長く使おうと思っても、古い商品の修理部品はすぐに製造中止になり、 Reuse(再び使う)をがんばれない社会背景。

私達が地球を守るためにしなければいけないのは、
まずは「 Reuse(再び使う)」し、
結果、「Reduce(ごみを減らす)」、
最終手段で「 Recycle(再資源化)」。
社会全体でこの意識改革に早く移行しないと状況は変わらない、今回の見学でわかったことです。
スタイルばかりのエコに踊らされると消費生活の継続になる。

エコバッグは買わずに、今持っているバッグをスーパーへ持っていく。
今持っているものを、色あせ、飽きてしまっても、大事に使い続けること:「 Reuse(再び使う)」を どこまで実行出来るか......

簡単じゃないですよね。
ゴミの山の中で手作業で分別する外国人作業員
廃棄物分別作業
1つ1つ、金属やガラスのかけらを拾い上げてました
廃棄物分別作業 廃棄物分別作業 廃棄物分別作業 廃棄物分別作業
手作業で一通り分別した後でやっと機械にかけられる おが屑になり農家へ引き取られるもの パーティクルボードのチップに再生されたものと、パルプの原料になり紙に再生されるもの 処理を待つゴミ


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・・ 虹ヶ丘の家 オープンハウス ・・ 5月24日,25日
「虹ヶ丘の家」のオープンハウスを行いました。
お施主さんのご厚意と、工務店のさんの協力のもと、週末土日の2日間の開催でした。 あまり天候に恵まれず、土曜は小雨、日曜は大雨。それにもかかわらず、多くの方が足を運んで下さいました。

訪れた方々が必ず口にしたのは、
「建物内を吹き抜ける風通りの良さ」「部屋中のあらゆる窓から借景が楽しめること」でした。
北側借景に王禅寺ふるさと公園、西側に琴平神社があり、もともと眺めの良い立地なのですが、反対に周囲からも覗かれてしまう心配があり、窓の取り方には工夫をしました。その甲斐あって、風通しが良く、借景を楽しみながらすごせる住まいになりました。 この家はエアコンを付けなくても大丈夫でしょう。。

建替えのきっかけとなった犬のチリちゃんも、日曜の見学会に訪れ、犬ドアの使い方を習得!えらい!この家にはチリちゃんの為の工夫も色々とあります。お散歩から帰った時の足洗いも専用シャワーでばっちり〜、などなど。

近々、「虹ヶ丘の家」のページで紹介します。
虹ヶ丘の家

虹ヶ丘の家


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・・ 日吉A邸 上棟 ・・ 5月26日(月)
日吉A邸」が上棟しました。

思い起こせば、最初にご連絡をいただいたのが、2005年の夏でした。「日吉W邸」のお施主さんと一緒にご相談を受けたのですが、打合せをすすめていた2005年の冬に耐震偽装事件が起こりました。建築基準法が大幅改正され、個人住宅にも必要以上に厳しい規制がかかるようになり、社会全体で建築確認申請の数が半分以下に激減、そして建築資材の大幅値上げがおこりました。
家をつくるのに難しい時代に突入してしまいました。

実際に設計を開始してからは、インフラストラクチャーの難しい立地条件が立ちはだかりました。
社会的に、私的に、色々な障害が勃発し、お施主さんと一緒に1つ1つ乗り越え、ここに至るまでに、2年半近くの歳月が経ちました。

今回の上棟は歳月が掛かったこともあり、よりいっそうの喜びがあります。今までにない施工方法の建物に、やりがいを持って引き受けてくれた工務店さんにも本当に感謝です。(→工務店ブログ

上棟式ではお施主さん、設計者、施工者から、それぞれのメンバー紹介と一言の挨拶が必ずあります。家をつくるのに関係する全員が一同に顔合わせすることで、心を一つにして完成までがんばろうという気持ちを共有し、思いがより深くなります。

『綺麗なカタログから工業化されたパーツを組み合わせて買う家』とは、やっぱり全然別なものだと今回も思いました。
非合理的で時間も掛かり、費用も特価セール価格などありませんが、こうして出来上がる家は、係わる全員の心意気の詰まった特別なものです。

来月、「日吉W邸」が上棟します。
日吉A邸

日吉A邸

日吉A邸

日吉A邸


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